調停制度 被災地でこそ活用を [裁判]

今回の震災では、1万5000人以上が亡くなり、24万戸を超える建物が壊れた。
今後、相続や住宅の貸し借りなどを巡るトラブルが増えることが予想される。

最高裁は、手続きが簡単で裁判より手数料が安い「調停」の積極的な利用を呼びかけている。

そこで、今回は調停制度とはどのようなものか確認してみる。

調停とは、裁判所において、調停委員会が紛争の当事者を仲介し、紛争当事者間の話合いにより紛争を解決しようとする紛争解決制度である。

当事者双方の話合いによる合意に基づいて紛争の解決を図る手続であり、調停委員会が第三者として当事者双方の言い分を聞いて調停案を提案してくれる。

一般の民事紛争について通常裁判所で行われる民事調停と、家庭に関する事件について家庭裁判所で行われる家事調停とが代表的なもの。調停委員会は裁判官1人と民間人2人で構成される。

また、労働委員会による労働争議の調停や公害等調整委員会等による公害紛争の調停なども制度化されている。調停委員は,調停に一般市民の良識を反映させるため,社会生活上の豊富な知識経験や専門的な知識を持つ40歳以上70歳未満の人の中から選ばれる。

たとえば、建築関係の事件であれば一級建築士などの資格を持つ人,医療関係の事件であれば医師の資格を持つ人など事件内容に応じた専門的知識や経験のある調停委員が指定される。
 もっとも、調停では訴訟と違って判決のようなものはないので、双方が合意に達しなければ問題は解決しない。
 しかし、調停は訴訟に比べて、手続が容易であり、期間も訴訟に比較して短期間であることが多く、ほとんどは3回程度で終わる。
かかる費用も低額という利点がある。また、調停は,どちらの当事者の言い分が正しいかを決めるものではなく,調停委員は,当事者の言い分や気持ちを十分に聴いて当事者と一緒に紛争の実状に合った解決策を考えるというかたちをとるため、日本人には訴訟よりも馴染みやすい解決形式ではないだろうか。
調停で合意した内容は調停調書に記載され、判決と同じ効力を有する。調書に基づいて強制執行を行うこともできる。

今後の被災地での無料の調停相談会

 阪神・淡路大震災では、調停の申し立てが3年後にピークを迎えたという。今回の震災により発生した問題の解決方法の一つとして、調停の利用が考えられるのではないか。

 岩手県調停協会連合会主催
(1)10月2日(日)午前10時~午後4時
        場所:宮古市 陸中ビル3階会議室
(2)11月13日(日)午前9時~午後3時
        場所:奥州市 奥州総合福祉センター

問合せ先:盛岡地方裁判所事務局総務課
電話:019-622-3165
タグ:調停制度
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