家族間トラブル回避にも有効 エンディングノートに注目集まる [権利]

 2012年10月、難病の肺カルチノイドを患い、41歳という若さで逝去した流通ジャーナリストの金子哲雄氏。病床にありながら亡くなるまでの約500日、残されることになる妻のことも考えながら、遺産整理や納骨堂の手配、葬儀の仕切りから会葬礼状まですべて自分の手で行なった。

 金子氏がどのような思いで“死の準備”に取り組んだかは、著書『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』(小学館刊)につぶさに綴られている。

 この「人生の最期」を自身でプロデュースしたことは大きな話題となり、今、エンディングノートに注目が集まっている。

 金子氏のように余命宣告を受けて準備を始めるケースもあるが、元気なうちに自分なりの希望をまとめ、家族やまわりの人たちに伝えておきたいと望む、40代・50代の世代も増えているという。

「エンディングノートを遺すことによって、自分自身が望んでいなかった送られ方をすることも防げますし、残された遺族がトラブルに見舞われることも少なくなります」と語るのは、市川愛事務所リリーフ代表で葬儀相談員の市川愛さんだ。

 エンディングノートには自分が死の床に伏した際の医療の希望や葬儀、死後の埋葬についての希望まで記すべきだともいう。

 エンディングデザインコンサルタントの柴田典子さんも、「自分の人生とはいえ、その最期は誰かに託すことになります。なにも決まっていなければ、託された人が苦労することになるのです」と、書いておくことをすすめている。

 例えば、父親、あるいは母親が意識をなくした状態で、子供たちが医師から延命治療について問われた場合、エンディングノートに意向をしっかりと記してさえいれば、と思うことが多々あるという。

「親は身近で介護してくれていた長男一家に、『十分面倒を見てもらい、これ以上負担をかけたくないので、延命措置はいらない』と日頃から話していたとします。

 長男一家も延命措置をしても回復の期待が持てず、最終的には結末が同じなら自然に楽な方向にと延命措置を拒否しようと判断しても、駆けつけたほかの兄弟一家は本人の意向や介護の苦労も知らずに『どうしてそんなことを言うんだ、延命措置を』という話になり、言い争うことになってしまうのです。実際、病院の中で大喧嘩をする兄弟がいることを看護師さんからよく聞きます」(柴田さん)

 延命措置がいらないという本人の気持ちが、なんらかの形で文章として残っていれば、延命措置が必要だというほかの兄弟たちを説得する大きな力になることは間違いないといえるだろう。

 遺された子供たちの考え方の違いによるトラブルを回避するためにも、一筆したためておくことは親としての最後の責任であるかもしれない。

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【ブラック企業】労働者の弱い立場につけこむ「腐れ外道」には記録残して対抗せよ [権利]

 厚生労働省が6月14日に発表した「平成23年度 脳・心臓疾患および精神障害などの労災補償状況まとめ」によると、精神障害による労災請求件数が3年連続で過去最高の1272件。
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 3月に発表された、内閣府自殺対策推進室・警察庁生活安全局生活安全企画課による「平成23 年中における自殺の状況」でも、理由が「仕事疲れ」「職場の人間関係」といった「勤務問題」に起因する自殺者数は2689人を記録している。こうした形で発表される数字は、因果関係が明確なものに限られるケースが多く、データはあくまで“氷山の一角”である。

 それぞれのデータを世代別に見ると40~50代の数字が目立つのだが、深刻さを増しているのはワークルールや就労に関する法令知識に明るくない若者たち。労働相談ダイヤルを常設し、6月18・19日には「新社会人のための、全国一斉労働相談キャンペーン」を行なう日本労働組合総連合会(以下、連合)のアドバイザー・田島恵一さんに、最近の労働相談の傾向についてこう話している。

 「入社時に雇用ルールを明示していないことによるトラブルが多いです。明示していても、試用期間などを理由に『残業代は支払わない』といった法令違反を強要されることも。長時間のサービス残業が続き、その状況が“おかしい”と思っても、雇用環境が悪化している今の状況では“ようやく就職できたのだから”“辞めたら次が無い”と、会社側に改善してほしいと言えなかったり、がまんしてしまう。そうした労働者の弱い立場に、つけこむ状況は少なくありません」(田島さん)

長時間労働により健康を損なう、あるいはその前に限界を感じて若者が退職を申し出ても、会社側が退職手続きをしない、「辞めるのであれば、採用にかかった費用などを損害賠償請求する」と言って退職を認めてくれない、といった相談も多いという。

 「労働者には契約解除の権利があり、2週間前に告知すれば退職の自由があります。また横領や背任といった、故意によって会社に損害を負わせたケースを除いて、会社が労働者に損害賠償を請求することはできません。

 業務中の事故や備品の破損などを賠償させるケースがありますが、誓約書などで契約をしていたとしても、その契約自体が違法であり、労働者側に著しい過失があった場合でも全額を支払う義務はないんです」(田島さん)

 いわゆる“ブラック企業”を見分けるには、勤務時間や手当などを明記した雇用条件を書面で提示する、就業規則を明示するなどルールを明確にしてくれるかが、一定の目安になるという。
 しかしそうした契約自体に、労働者にとって不利な条件が記載されていて、知らずに契約してしまった場合に対応策はあるのか?

 「就業規則や個別の雇用契約は契約として有効ですが、労働時間や最低賃金など労働基準法に違反する内容については、すべて無効です。誤解が多いのですが、フレックスタイムや裁量労働制、年俸制であっても、規定時間を超えた残業に関しては割増賃金が発生します。

 勤務時間を管理せずに大量の業務を課して、『業務が終わらないのは処理能力の不足』として残業代を認めない場合でも、業務量から『黙示の指示があった』と労働者は主張できます。会社側には『安全配慮義務』があり、労働者がうつや病気になるような、過酷な働き方をさせてはいけないんです」(田島さん)

 連合のサイトには“職場環境に問題があるのでは?”と悩んだ時のための「ワークルールチェッカー」があり、診断結果ページには全都道府県の最寄りの相談窓口の連絡先が表示される。職場環境に“問題あり”とわかったら、電話などで具体的なアドバイスを受けることが可能だ。

 「長時間労働や残業代の不払いがある場合、出退勤を記録しましょう。タイムカードの打刻時間を定時内に強要される場合、業務のためにPCを起動・終了時に自分のアドレスに業務の“開始”“終了”をメールしたり、手帳に記録しておく。求人の時の募集要項・雇用契約書などの書面を保存するといった工夫をしておくと、実態と契約の間に隔たりがあったことがわかりやすい。残業代不払いの証明には、給与明細を保管しておくと、交渉の際の材料になります」(田島さん)
(この他にも自己記録型の勤務表のコピーを取っておくことも考えられます)

 会社側から解雇や退職勧告する場合に、退職理由を会社都合とせずに、自己都合退職を強いるケースも後を絶たない。

 「雇用助成金制度を利用している会社の場合、解雇者を出すと助成金が打ち切られるため、自己都合退職を迫ることが多いようです。会社と労働者が解雇についての話し合いをした後で、本来中立的な立場にあるべき社会保険労務士が自己都合退職を勧めた事案があり、これはかなり悪質なケースといえます。

 よくあるのは『経歴に傷がつくから、自己退職の方がいい』と説得された話ですが、会社都合であれば失業手当がすぐ支給され、国民健康保険料などでの優遇措置もあります。しかし、自己都合では失業手当の給付開始が3か月後になる、給付期間が短くなるなど、労働者にとって不利益になることもあるんです」(田島さん)

 また非正規雇用が増え、雇用形態の違いによるパワハラや待遇の不公平感が問題になることもある。

 「雇用形態が異なっても、基本的な権利などは法律上同じ。パートやアルバイトであっても、業務上の過失で罪に問われることもありますし、逆に残業代や有給休暇といった権利は、正社員同様に認められています。契約形態よりも業務の実態が優先されるので、最近増えている業務委託契約の場合でも、労働実態が雇用状態にあると判断されれば、契約は見直さなければなりません。景気や経営不振から『残業代が払えないと言われた』という話もあるのですが、会社が一方的に契約内容や待遇などを不利益変更することはできません」(田島さん)

 労働条件が過酷で、本人が冷静に考えることができない、第三者に相談する気力が起きないといった状況で、親や家族が相談するケースも増えている。子供や家族が、勤務問題を抱えているサインに気づくポイントを聞いたところ、以下の通り。

 ・早朝から出勤して、深夜まで帰宅しないなど、勤務時間が長そう

 ・休日がない

 ・顔色が悪くなってきた

 ・落ち込んでいる様子が見られる

 こうしたサインが見られたら、職場環境について話し合ってみる必要があるという。

 「お子さんの様子を親御さんから相談されたことをきっかけに、状況が改善された事例もあります。最終的には本人がアクションを起こすことが必要とはいえ、心配しているだけでは解決しないですから、ご家族からでもぜひ相談してもらいたいですね」と田島さんは言う。


 ※連合相談ダイヤル

 0120-154-052(フリーダイヤル・全国共通)

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AKBは「芸能界のリクルート」複雑な契約関係 [権利]

■雇用・委任・請負

 AKB48のメンバーは、それぞれ違う芸能事務所に所属していることをご存じだろうか。
 たとえば前田敦子や大島優子は太田プロダクション、板野友美はホリプロだ。一方、グループの活動を管理しているのはAKSという芸能事務所。はたしてAKB48のメンバーは、誰にどのような身分で雇われているのか。
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 その内容は公表されていないが、芸能やスポーツの契約を数多く手掛ける高橋宏行弁護士は、「あくまで一般論」と前置きしたうえで次のように推測している。

「メンバーがAKSと出演契約を結び、ソロ活動については芸能事務所とマネジメント契約を結ぶという2本立て(図中1)の可能性もゼロではありません。ただ、一般的にマネジメント契約は独占性を伴うので2本立ては考えにくい。メンバーは芸能事務所と独占的に契約を結び、AKB48の活動のときだけAKSを通じて劇場に出演しているのかもしれません(図中2)」

 そうすると、メンバーは芸能事務所に雇用されているということになるのだろうか?

「民法には、労務を供給する契約として雇用、委任、請負の3形態が定められています。しかし、芸能界における芸能事務所とタレントとのマネジメント契約の内容は様々であり、民法の規定する雇用や委任、請負にストレートに当てはまらないことのほうが多いでしょう。また、そもそもきちんと契約書を交わしていないプロダクションもあります。AKB48のメンバーも、プロダクションと雇用関係にあるとは限りません」(高橋弁護士)

 雇用か、委任か、請負か。それぞれの違いを説明しよう。
 雇用契約では、被雇用者が使用者の指揮監督に従って仕事をする。働き方の自由度は低いが、労働基準法の適用を受けるため、労働者としての権利が保護される。

 委任契約や請負契約は、他者の指揮監督を受けずに自分の裁量で仕事ができるが、労働基準法は適用されない。委任と請負の違いは、契約の目的だ。委任は業務の処理を目的とし、請負は仕事の完成を目的とする。前者は弁護士や医者、後者はプログラマーなどが代表例になる。

 契約形態の違いは働き方の実態で決まる。
 たとえば書面で請負契約を結んでいても、実際は一般的な会社員と同じ働き方をしていれば、会社と雇用関係があったと判断されることがある。

「業務従事に対する許諾の自由がなかったり、勤務場所や時間を指定されていれば、雇用関係とみなされやすい。メンバーがどのような契約を結んでいるのか不明ですが、トラブルが起きて訴訟になれば、働き方の実態に即して判断されます」(高橋弁護士)

 ちなみにAKB48のメンバーは最初から現在の芸能事務所に所属していたわけではない。当初はoffice 48という芸能事務所に全員が所属していたが、人気が出始めた2007年以降、メンバーの多くが他事務所に移籍。現在も研究生時代はAKSに所属し、売れてきたら他事務所に移る流れになっている。

 スターの原石を育てあげたのに、他事務所に移籍させるのはもったいない気もするが、高橋弁護士は「移籍金が発生したり、活動に関してロイヤルティが発生する契約になっている可能性も否定はできません」と推測する。
 また雇用契約だった場合、会社はタレントを労働者として保護する必要がある。浮き沈みの激しい芸能界において同じタレントを長く抱えることは大きなリスクであり、移籍にはそのリスクを回避するメリットもある。

 オーディションで安く仕入れ、育成して高値で手放し、グループの新陳代謝を促す。野球やサッカーには同じような経営方針を持つクラブもあるし、ビジネスでいえば早期退職制度で転職や独立を促すリクルートがこれに近い。そう考えると、AKB48は案外、理にかなったビジネスモデルなのかもしれない。

 ただ彼女たちの給与の実態は「薄給」ということができる。
 今後なんらかのトラブルが生じた場合、この複雑な契約関係が足枷になる可能性も否定はできないだろう。


タグ:AKB48
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コンビニ業界に画期的判決-値下げ制限は違法- [権利]

 コンビニエンスストア最大手「セブン―イレブン・ジャパン」(東京)の元加盟店主の男性(57)=福岡市博多区=が、ロイヤルティー(経営指導料)の計算方法の説明を受けず、値下げ販売も不当に制限されて損害を受けたとして、同社に約2600万円の支払いを求めた訴訟の判決が9月15日、福岡地裁であった。

 田中哲郎裁判長は「会社が値下げをやめるよう指導した行為は販売価格の自由な決定を拘束し、独占禁止法違反にあたる」と原告側の請求を一部認め、同社に約220万円の支払いを命じた。

 また、加盟店が同社に支払うロイヤルティー(経営指導料)の算出方法に関する説明義務違反も認めた。
 この「ロイヤルティーの算出方法」とは廃棄や万引きで「ロス」となった商品を売り上げに計上し、チャージを徴収する「ロスチャージ」といわれるコンビニ業界で用いられる特殊会計システムを指す。
 原告側の代理人弁護士によると、同社の値下げ制限行為を違法と判断し、賠償を命じる判断が出たのは初めてという。

 判決を要約すると、「価格販売の値下げは、加盟店の自由。廃棄リスクのある商品は値下げをしてでも販売した方が利益が上がるのだから、加盟店がそれを実施するのは当たり前。本部に制限する権限はない。ロスチャージ会計も契約時に加盟店に説明せよ」というもので、いわば、これまでの"本部側の常識"を覆す内容となった。

独占禁止法の規制とは?
 独占禁止法は、公正かつ自由な競争を促進し、経済運営の秩序を維持するための基本的ルールを定めた法律であり、私的独占・不当な取引制限・不公正な取引方法の3つを禁止している。
 
 今回の判決では、販売価格の自由な決定を拘束したことがこのうちの不公正な取引方法に該当すると判断されたものと思われる。

 コンビニエンスストアは、いまやすっかり我々の身近な存在として定着している。
 コンビニ業界においては、景気後退に伴い外食を控える人が増え、弁当や惣菜の販売は堅調である。しかし、他方で商品の売れ残りという問題も後を絶たず、従業員の負担も大きいと思われる。。

 今回の訴訟は、予定していた値下げ販売をしないようセブン―イレブン・ジャパン本社に指導されたこと、また、賞味期限切れなどで販売できなかった商品の損害を店側が被る方式だったため、加盟店が売り上げの中から本部に支払うロイヤルティーの額が高く、店側に不利になっていたことが発端であった。
 食料品の賞味期限を守ることは大切であるが、期限切れの迫った商品は低価格で販売するなど、コンビニでもデパートの食料品売場と同様に柔軟な対応を認めてもよいのではないだろうか。
 今回の判決は、現場の従業員の過酷な負担に配慮したものとして評価できる。
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彼氏追跡アプリ「カレログ」とは? [権利]

8月30日にサービス提供が始まった「カレログ」。
そのサービス内容から、その名は瞬く間に知れ渡り、総務省が問題点を検討する旨を言及するにまで至った。
このサービスは、恋人のスマートフォンに「カレログ」をインストールすると、その恋人の現在位置・通話記録・バッテリー残量などを把握できるようになるというもの。

当然、利用には情報を晒される本人の同意が必要になるが、スマートフォンの画面上で手続きは完了するため、恋人が気づかぬ合間にインストールしてしまうことも可能になっている。

多くの批判が寄せられ、現在では通話記録を把握するサービスは停止されたが、今なお違法性を考えるべき余地は残っている。(というか、個人的にはストレートに違法だと思っています)


このサービスの内容に恐怖する人は多いだろう。
何せ現在位置・バッテリー残量まで把握されてしまうため、恋人からの「なぜ電話に出ない?」との問い掛けに、「電池が切れていた」と言い訳することもできなくなってしまう。
このような恐ろしいサービスを利用する人など少ないと思われるかもしれないが、現実に数千人が既に利用しており、需要があることが証明された。
(利用者は「管理する側」と「管理される側」に二分されるが、管理する側の利便性を考えると、ある意味当然のことだろうとは考えられる)

需要があることは競合他社の発生可能性を意味し、今後のさらなる広がりも懸念される。
本サービスの特長は、一応「同意」が前提となっていることである。当然「同意」が真意に基づいているのなら、プライバシー権は放棄されており、適法となる。
他方、恋人が勝手にインストールしたなら、同意はなく、違法性は強まるわけだが、この両者を企業側が把握する仕組みがない。
本サービスの目的は本来、恋人の浮気に悩む人の救世主にもなることであろう。
しかし、事実プライバシーの権利が過度に侵害され得るし、ストーカー行為等の犯罪に利用され得ることは、容易に予想される。

問題は「犯罪に利用し得るサービス」がどこまで制約されるべきかである。
新たなサービスの提供に一定の法的リスクが伴うことはある意味前提となっており、それを弾圧する傾向が日本の技術革新を制限していることも事実である。
「彼氏追跡なんて下らない技術」との意見が、今後の技術革新を阻害する可能性もゼロではない。
技術大国日本にとって、技術で他国に遅れることは大きな損害を生むだろう。
両者の利益を最大化する方法の模索は、今後常に課題となるだろう。
タグ:カレログ
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社員が営業車で交通事故 ・会社は「全額弁償しろ!」と言えるのか [権利]

これはJ-CAST会社ウォッチのコラムです。

会社はややもすると社員に「仕事をさせてやっている」というスタンスになりがち。
懸命に仕事をしている人間に感謝もしない。
そういう勘違いを指摘しています。





仕事で毎日のように車に乗っていれば、車体に擦り傷のひとつやふたつは誰でも作ってしまうものだろう。始末書を書かされるたび、「車の運転の必要がない内勤社員はうらやましい」と不満に思う人もいるに違いない。

ある会社では、優良ドライバーの営業マンが自損事故を起こしたことをきっかけに、人事担当者が会社の処分のあり方について頭を悩ませている。
「こっちは仕事で乗ってるのに」と反論

――飲食チェーンの人事です。先日、営業のAさんが社用の営業車で自損事故を起こしてしまいました。ガードレールに擦り、片側のドア交換が必要になりました。

営業社員には車に関する不始末をする者が少なくない中で、Aさんはこれまで交通違反もなく、事故も起こしたことがありません。

珍しいなと思い、本人に聞いてみると「事故当時のことは、よく覚えていない」とのこと。前日に飲み歩いたということもなく、遅くまで仕事をしていたそうです。

とりあえず不注意運転ということで、始末書を取ろうとしましたが、営業部長のBさんが

「悪いのはAだろ?全額弁償させるのが当たり前じゃないか!」

と口を挟んできました。

考えてみると、これまでの処分もB部長の一存で決まっており、重さも人によってまちまち。B部長の大声を聞いたAさんは、人事部に来て、

「こっちは仕事で乗ってるんですよ。責任を全部部下に押し付けようだなんて、どうかしてる。それに今月は休日出勤が続いて、まだ1日も休んでないんだ。ホントやってられない。まったくやる気を削ぐことしか言わない部長だよね」

と憤慨しています。さらには、事故の影響でムチウチになって通院しているけど、医療費は会社が出すべきだ、そのうちまとめて請求するとまで言い出しました。

B部長の放言のせいでAさんがヘソを曲げてしまったようなのですが、こういうときはどうすればいいのでしょうか――
社会保険労務士・野崎大輔の視点
よほど重い過失でなければ始末書程度が現実的

社員が業務中に交通事故を起こした場合、会社は原則として社員の過失の程度に照らして損害賠償を求めることができます。しかし仕事の上でのアクシデントですし、通常の営業行為に伴うリスクがあるわけですから、現実的にはよほど重い過失でなければ社員に弁償を強いることはできないでしょう。一般的な自損事故であればけん責(始末書)程度で、極度の二日酔いによる居眠り運転が度重なるような場合などの重い過失であったとしても損害額の4分の1程度が限度と思われます。「給与からの天引き」は違法ですが、懲戒処分により一定期間の減給に代える会社もあるようです。

社員が人身事故を起こせば、社用車であっても社員の自家用車であっても、会社のイメージダウンにもつながりかねません。会社は「車両管理規程」を作り、業務や通勤に自動車を使う基本的なルールを設け、処罰の基準を明確にするとともに、飲酒運転や過労運転を禁止する旨を明記しておくことなど予防策を講じることが欠かせません。
シニア産業カウンセラー・尾崎健一の視点
放任では会社が社員から訴えられるリスクもある

勤務中の交通事故で社員がケガをしてしまった場合、パチンコや映画鑑賞など私的行為をしてサボっていた場合を除き、労災が認められる可能性があります。また、交通事故の原因が過労による居眠り運転だったような場合には、会社は社員に弁償を求めるどころか、逆に社員から「安全配慮義務」を怠ったとして損害賠償を請求されるおそれすらあります。

今回、休日出勤が続いていたことや、事故当時の記憶がないことなどを鑑みると、疲労蓄積の可能性も十分あるといえるでしょう。過労自殺訴訟で会社の責任を認めたD社事件でも、自殺の前に危険運転があったそうです。交通事故が精神的・身体的不調のあらわれである可能性もあります。

社員とのトラブルをこじらせないためにも、会社は処分を決定する前に、事故の状況と原因および本人の勤務状況と言い分をきちんと確認することが重要です。さらに管理職には、社有車での外出を許可制や届出制にしたり、体調不良の部下に運転させないよう徹底しておくべきです。

コラムの記事は以上です。

上に出ていた「安全配慮義務」ですが、これは明確に法律上規定されているものではなく
最高裁判所の判例(昭和50年2月25日第三小法廷判決)により定立された概念なんです。

これはある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務を指します。
労働関係における安全配慮義務については、2008年施行の労働契約法において、労働契約上の付随的義務として当然に、使用者が義務を追うことが明示されました。

また上記の議論を民法的に分析すると「報償責任の原則」に思い至ります。
民法の原理は「公平」の観点から確立されますが、この原則は「他人を使って自らの行動範囲を拡大し、そこから利益を得ようとする者は、それに伴う責任も負担する」というもの。

民法第715条には「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」という形で規定されています。

利益を得る者が、損害賠償責任を負うというのは常識的にも納得できるところではないでしょうか。

もっともこの規定には「使用者から被用者への求償権の行使を妨げない」としており、使用者から被用者へ返金請求をすることも可能にはなっています。

しかし、この求償権の行使についても判例は「損害の公平な分担」という見地から「信義則上相当と認められる」範囲内に限定しています。

上記の例でも同じように考えるべきなんじゃないかと思うのですが................

【国民生活センター】在宅ワークトラブルで「報酬未払い・遅延」は28.0% [権利]

こういう記事がありました。

※女性セブン2011年9月8日号
「在宅ワークや資格取得の人気が高まる中、国民生活センターなどに“内職詐欺”や“資格詐欺”の相談が増加しています」と話すのは、流通ジャーナリスト 金子哲雄さん。

「資格を取れば仕事はいくらでもある」という謳い文句で高い教材を買わされたのに、仕事は一向に来ない…。

 例えば資格を取った100人の中で、数人でも仕事につければ、仮に詐欺として訴えても、なかなか取り締まることは難しいのが現状。そんな抜け道を利用した悪徳業者も少なくない。実績のある信頼できる企業を選ぶことが大切だ。

 平成20年度厚生労働省委託事業「在宅就業調査報告書」によれば、在宅ワークトラブルのうち「仕事の納期」が28.4%、「報酬の未払い・遅延」が28.0%となっている。

 在宅ワーカーを束ねる会社を運営しているシュウ企画代表取締役社長の池田かほりさんはこういう。

「ネットで検索するといろいろなサイトがありますが、あまりに条件が良すぎる場合は、他と比較して検討を。また、自宅は家族もいるし、仕事に最適な環境ではないので、自分で切り替え、コントロールができる人でないと厳しい」

 在宅ワーカーと企業をマッチングするサイト『シュフティ』事業部(株式会社うるる)の田中偉嗣さんもこうアドバイスする。

「自宅でやる仕事だからこそ責任は大きい。無理のない量や納期で仕事を受け、体調管理をして、クオリティーを守る必要があります」
                              (以上、記事より引用)

実はくりおね、行政書士時代に上記のような取引の相談を主に行ってきました。
その多くは契約上のトラブルに伴う契約の解除が主な業務となっています。

「内職」や「モニター」に伴う取引は「特定商取引法」に規定されており、これらの取引を「業務提供誘引販売取引といいます。

「仕事を提供する」「モニターになってくれたら報酬を支払いする」という約束と引き換えに何らかの商品等を購入するという契約スタイルを規制した法律です。

この手の契約は契約の一方が「消費者」であるかぎり20日間のクーリングオフ期間があります。
また、「消費者契約法」によって「重要事項の不実告知」があれば契約から6ヶ月間は契約取り消しを通知して、支払ったお金の返還請求も行えます。

「ほんとにお金は返ってくるのか?」という疑問もおありでしょうね。
そしてせめて支払い途中のクレジットの残額の支払いを免れたいとお考えのかたもいると思います。

くりおねは通算350件の依頼を受けて、ほぼ6割の依頼人に返金され、残りほとんどの方々はクレジットの残額の支払いを取り消せています。

お心当たりのある方はどうか、あきらめないで最寄りの「消費者契約」を専門にしている行政書士へ
相談してみてください。(地元行政書士会から紹介してもらえば確実かと思います)

法律にもありますが、クーリングオフは必ず書面で行ってください。期間は契約したその日を含む20日間です。
これは必要事項ではありませんが、クーリングオフ通知書は「内容証明郵便」で行うと安心だと思います。
最低でも「簡易書留」で、その場合は内容のコピーを取って発信するようにしましょう。

書類の見本を見てみたい人がもしいらっしゃったらコメント欄からリクエストしてください。

近いうちにでもアップしますので。




権利を主張するということ [権利]

このブログで前に「権利はどこからやってくる」のかということを書いています。
http://legal24.blog.so-net.ne.jp/2011-03-05

この記事で書いた「権利」とは、いわゆる基本的人権についてでした。
それは主に憲法にかかわる問題です。

今回は個人間の「権利」について書いてみたいと思います。

個人間の権利は主として「請求権」として現れます。
それは貸したお金の返還請求権だったり、給料の支払い請求権だったり、不法行為についての賠償請求権だったりします。

個々の請求権についてはまた後日ということにして、請求権の行使の仕方、つまり権利を主張するために必要なことについて書いてみましょう。

簡単な事例を設定します。

あなたはAに対してお金を貸しています。しかし約束の返還日になってもお金を返してくれません。
あなたならこの場合どうしますか?

そう、当然「返してくれ」と言いますよね。

これを民法では「意思表示」といいます。

この意思表示は法律上の要素としてかなり重要な意味を持ちます。

もし、この場合あなたがAに対して何の意思表示もしなかったらどうなるでしょう?

請求権は大抵の場合、時効によって消滅します。時効中断の方法はいろいろありますが、まずは返還の請求をしないと始まりません。

明確に返済日を決めていなければ、請求の意思表示がなければAは返済の義務すら生じません。

では、どうやってあなたは相手に意思表示をしますか?

電話で?直接あって? もちろんそれも立派な意思表示です。

しかし何らかの理由があってAがあなたにお金をを返さないと主張したらどうでしょう?
「受け取ったお金はもらったものだ」とか「まだ返済期日がきてない」とか言った理由があります。

これをAの立場からいうと、相手つまりあなたからの請求にたいする「抗弁」といって、これもひとつの権利といえます。

こうなってくると、電話や会っただけでは埒があかずやがては「裁判」ってことになりそうです。

しかし、その前にやることがあります。

それは明確に形に残るような意思表示をすること。

つまり「文書による意思表示」ということになります。

そしてそれは通常「内容証明郵便」によることになります。

世間的には単に内容証明と言われていますが、これは同じ文書を三通つくり、ひとつは相手に
ひとつは自分の手元に、そして三通目は第三者機関である郵便局が保管することで、文書の内容と意思表示の日付の正確性を担保することができます。

内容証明郵便の作り方は決まった形式があるのでコチラを参照してください。

内容証明は「ただの紙切れ」と表現されることもあります。

しかし、ただの紙ですが、されど後々裁判にも利用されうる「紙」だということも忘れないように。

出す方も、受け取ったほうも、決して侮ってはなりません。

くりおねはこの内容証明の作成を過去300件以上請け負って、年収6百万以上稼いでいたこともあります。

押さえるべきポイントを押さえた文書の威力は、かなり強力です。

また、いずれブログでそんな内容証明についてもくわしく書いていきたいと思います。

具体的に何か質問があればコメントへ書きこんでみてください。


「権利」はどこからやってきた? [権利]

欧米には「自然権」とか「自然法」という概念があります。

これらは人間が生まれながらにして持つ「権利」があるとします。
こういう考え方はおそらく封建国家にあった「王権神授説」に対抗するためであったと想像できます。
その説の可否はさておき、現代においては表現の自由をはじめとする精神的自由権がもっとも重要だとされていますが、歴史的には「所有権」を始めとする財産権の保護が最重要であった。

これはときとして王権が人民の財産を勝手気ままに搾取するという事態があったからにほかなりません。

さてここで「所有権」とは何かをちょっと考えましょう。
法律的には「その所有物の使用、収益、処分する」権利をいいます。
大小の動産、不動産を排他的に支配できる権利ですね。この意味で江戸時代なんかに殿様から拝領された「物」なんかには拝領を受けた家来は所有権はなかったといえます。

たとえば、ある家臣が上様からお持ちの馬を譲り受けたとします。もしこの馬に対して所有権があったとしたら、この家臣この馬を煮て食おうが焼いて食おうが、はたまた見世物小屋に売り飛ばそうが許されるはずですが、そうはいかない。おそらくお家は断絶、蟄居命令が来ることは明明白白。こういう意味で、この時代には少なくとも一部武士階級には所有権はなかったと言えるでしょう。「

次の記事では、どうやってこの所有権は発生したり移転したりするのか。なにをすれば所有権を守れるのかについてお話しします。基本的に毎日一記事づつ更新していくつもりですが、仕事の都合でできないこともありますので、この点どうぞご容赦くださいませ。

タグ:権利
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