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【交通事故損害賠償の知識】交通事故の保険金詐欺? [交通事故]

交通事故の慰謝料といえば、他覚所見に乏しいことから損害の算出が非常に難しいムチ打ち症の慰謝料があります。

本日は、何故ムチ打ち症が社会から偏見の目で見られてしまうかについてお話をしようと思います。

ちょっと前の事ですが、交通事故の保険金詐欺に関するニュースが何件か流れていました。

覚えていらっしゃいますか?

交通事故で怪我をして会社を休んだとして休業損害を請求し受け取ったのですが、その会社は実態のない会社でしかも経営者と保険金の請求者が同じという事件でした。


通常ですと給与所得者の休業損害は、会社で証明する給与減額証明書によって支払われますので、その証明をする人間と損害を請求する人間が同じである場合、適当に都合よく書く事ができます。



※法人の役員報酬は休業損害の対象になりませんが、10人以下の法人で役員
 が従業員と同じように働くことで収益をあげている場合、役員報酬を従業
 員の給与とみなす事が出来ますので、休業損害として請求する事が可能に
 なります。



都合よくといっても、極端に数字を操作すると不自然になりますので、保険会社にも直に分かってしまいますが、多少の操作であれば分かり難くなります。


今回の事件では、収入実態のない会社からの給与になりますので、本当に給与が支払われていたかが疑われる事になり、最終的に虚偽の請求であった事から保険金詐欺が成立しました。


確定申告をしていない個人事業主や支払い明細があやふやな夜の仕事の場合、休業損害を請求する際は苦労することになります。

保険会社としても、本当に収入があったかどうかが分からない給与によって休業損害を支払う事には躊躇しますので、何らかの証明を求めてきます。



ですので、かなり収入のある夜の仕事の場合でも、その収入を立証する物がないと、保険会社は自賠責保険の最低の休業損害額である1日当たり5700円での支払いを提示します。


そのような場合、お店の帳簿のコピーや支払い明細などがあれば、ある程度の休業損害は請求できますが、実際に受け取っていた金額に近づけるためには訴訟の選択になると考えます。


先程のように給与減額証明書によって請求する事が出来る場合は、保険金詐欺がしやすい状況にありますが、保険会社の目は節穴ではありません。

分からないだろうと適当にに水増しした証明書により、実際より多い休業損害をもらっても、数年後に突然逮捕される事にもなりますので、変なことを考えないようにお願いします。



世の中には、保険金詐欺といえば「ムチ打ち症」と思っている方もいます。


実際に交通事故でムチ打ち症になったことのある人には理解できるのですが、ムチ打ち症になったことのない人にとっては、事故直後は何ともなかった人が翌朝になって首が痛いといって病院に行く行為は不自然に思えるようです。


医師の中にも、受診者が「交通事故で首が痛い」と言ったとたん急に態度が冷たくなったり興味なさそうな態度になったりする方がいます。


医師だけならまだしも、場合によっては弁護士すら偏見の目で見ることもあります。


過去において、ムチ打ち症の特性を悪用し保険金目当てで痛くもないのに通院する輩が横行した時期がありました。



その中には、痛くもないのに後遺障害認定を申請し認定させてしまう詐欺行為まであり、非常に混沌とした時代でもありました。



その当時は今とは違い、半年痛いと言って通院すると14級、1年通院すると12級が認定されるような状況でしたので、詐病もふくめた交通事故のムチ打ち症の被害者に対しての保険金支払額は相当な金額となりました。


半年痛いと言って通院すると14級、1年通院すると12級が認定されたころ、後遺障害の認定実務を行っていたのは自動車保険料率算定会で、通称自算会と呼ばれていました。


ムチ打ち症による保険金支払い額が多くなると、保険会社はなんとかその金額を減らそうと考えました。



すると不思議な事に、通院するだけで後遺障害が認定されるような状況から一変、次第にムチ打ち症による後遺障害が認定されなくなっていきました。



自算会の運営資金の多くは、損害保険協会会員の保険会社が負担し、職員は損保会社を定年退職したお爺さん達です。



交通事故の損害賠償に関わる人の間では「爺さん会」などと呼ばれていました。


表向きは中立公平に判断をしていると言っていますが、運営資金の提供が損保協会で働く人間が損保会社を定年退職してきたお爺さん達ですので、実際は保険会社に有利な認定作業をする事は十分に考えられることです。



後遺障害の認定が厳しくなり、保険金の支払額が減っていく事に気を良くした保険会社は、更なる払い渋りの戦略を考え出します。


なんと、「首が痛くもないのに痛いといってムチ打ち症の診断書をもらい、慰謝料目当てで長期間毎日通院している詐欺師が沢山いる。」などとムチ打ち症による保険金詐欺を世間に誇大に言いふらすことにより、社会を見方につけてしまいました。



世間に伝わっていくにつれて話しは誇張され、最終的にはムチ打ち症=保険金詐欺=詐病という構図を多くの人が思い浮かべるようになってしまいました。

社会を見方につけた保険会社と、保険会社と暗黙の了解で繋がっている自算会により、キチンとした所見のある被害者の後遺障害申請に対してまで非該当にするようになっていきました。



結果として、12級及び14級の後遺障害のうち神経症状(頚椎・腰椎捻挫)の認定率を半分以下にすることに成功した保険会社の利益はどんどん増えることになります。


反面、利益を増やす保険会社の影で重度のムチ打ち症に苦しんでいるにも関わらず泣き寝入りさせられる悲惨な被害者が急増したのです。



手が痺れ感覚がない、筋肉が萎縮して物が持てない、めまいや頭痛も伴い就労はおろか日常生活さえ満足にできない症状が継続する被害者ですら、保険会社は執拗な治療打ち切りと示談を迫ったことから、泣き寝入りをする悲惨な被害者が増えていきました。



さらに、保険会社はムチ打ち症被害者の治療費の削減に着目します。

ムチ打ち症を最初から仮病扱いし、当社の規定でムチ打ちの治療期間は3ヶ月で終わりなどと言って病院や医師に圧力をかけることで、被害者の治療を早期に終らせることを考えました。


治療費支払の保留、いわゆる治療打ち切りです。



病院としてみれば、治療費をもらえず余計なトラブルに巻き込まれるくらいなら、患者に治ったといって治療を中止してしまった方が良いと考えます。



保険会社による払い渋りにより、ムチ打ち症はいつの間にか仮病のレッテルを貼られてしまいました。



現在でも、ムチ打ち症を装って保険金詐欺をしようとしている患者、患者が痛いといっているから治療すると言って過剰診療する医療機関が存在します。



そのような人たちがいる限り保険会社も払い渋りを続けますし、保険会社の払い渋りの段階で遠まわしに脅される医師がいる限り、今後もムチ打ち症への偏見は続くと思われます。



多くの医師がムチ打ち症の治療に関心ががなかったり偏見を持っている理由がお分かりいただけましたでしょうか。



この様な背景を知っていれば、医師の反応がおかしかったり周りの人間が変なことを言っていたりしても、「ああ、そのような事もあるから。」と冷静に対処する事が出来るのではないでしょうか。



ムチ打ちの痛みは実際にムチ打ちになった人にしか分かりませんし、最初から偏見の目で見ているかもしれませんが、そこで痛いと主張し続ける勇気がないと泣き寝入りになってしまいます。



痛いものは痛いと正確に伝えることだけは忘れないようにしてください。



交通事故損害賠償でのムチ打ち症は難しいところも多いのですが、主張しなくてはいけない点、主張すると良くない点を見極めて行動すれば、納得のいく治療と解決は必ずできます。



「慰謝料」及び「ムチ打ち後遺障害」関係の無料レポートもお配りしておりますので、まだご利用でない方はご遠慮なくダウンロードしてください。
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「レンテンノイローゼ」


■ 最後までお読みいただきましてありがとうございました。



本日は、ムチ打ち症がどうして偏見の目で見られるかについてお話をしましたが、偏見だけに留まらず満足な治療が出来ないことが大きな問題です。


病院は保険会社から「治療費の支払を今月一杯で終了します。」などと言われてしまうと、患者に治療費を立替てもらう事になりますが、あまり乗り気ではありません。



多くの患者は、自分は被害者だという強い気持ちがありますので、「何故被害者が治療費の立替をしなくてはならないのだ!」と言って治療費を支払わない事が予想されるからです。



また、保険会社は保険金詐欺や裁判の話を持ち出し、「詐病の被害者に協力した先生も場合によっては保険金詐欺の共犯ですよ。」などと、まるで訴えられるかのような話しをして脅し、見えない圧力をかけられ面倒になります。



保険会社からこのような対応を受けた医師は、ムチ打ち症の治療には非常に神経質になっています。


ムチ打ち症はどちらかというと他覚所見に乏しい事が多いので、医師も本当に痛いのか、それとも詐病かを見分ける事が難しいことを知っています。



ですので、多くの医師は交通事故によるムチ打ち症の治療に興味がなく、患者が事故で首が痛いといった場合、反射的に湿布と痛み止めを処方し様子を見るようにと言う流れ作業になってしまいます。



その後も、患者が特に何も言わなければ、何回受診してもその繰り返しです。



ある程度時間が経過し、保険会社が「〜さんの様子はどうですか?」といってきたり、今月一杯で治療費の支払いを中止しますなどといってくると、医師は患者に「もう治ったから来週からは来なくていい」といきなり言ったりします。



最悪の場合は、診断書に「治癒」と記載して保険会社に送ってしまいます。



ムチ打ち症に対しての偏見は医師だけでなく、交通事故損害賠償訴訟の現場にも存在します。



どのようなところに偏見が見られるかというと、地方裁判所支払基準「赤い本」には、入通院慰謝料の算出に使用する入通院慰謝料表が2種類あります。



通常の怪我の場合と比べ他覚所見に乏しい頚椎・腰椎の捻挫などの場合では、慰謝料を三分の二程度に減額されています。



※「赤い本」についてはブログ記事「地方裁判所支払い基準」です。
  http://safely.blog115.fc2.com/blog-entry-33.html




赤い本で、頚・腰椎捻挫の慰謝料を一般の慰謝料の三分の二程度にした理由についてですが、「他覚所見のないむち打ち症については、被害者本人の気質的なもの、年齢的なもの、例えば被害者意識の強さ、レンテンノイローゼ、外傷性神経症、あるいは老人性変形症、更年期障害、加害者の責めに帰せられない事由により被害者の入院・通院が長引くことがある」ということを勘案しているからです。


注)レンテンノイローゼ:賠償性神軽症



さらに、「生活環境、例えば離婚して生活に不安がある場合、定職をもっていない場合等の要因が加わることもある。病院も被害者が何らかの症状を訴えてくる以上、診療を拒否できない場合、時にはこれを奇貨として病院の経済的利益を図ろうとする、いわゆる過剰診療すらあり得る。この意味で
他覚所見のないむち打ち症は、実務においては低額な慰謝料をもって基準としている」としています。



保険会社は世間が他覚所見に乏しいムチ打ち症に対して偏見を持っていることを巧みに利用して払い渋ろうとします。



しかし、正しい損害の立証方法さえ知っていれば大丈夫です。



慰謝料が三分の二になったからといって、後遺障害慰謝料、逸失利益、休業損害も三分の二で算出する事はありません。

保険会社がそのようなことを言って来る場合もありますので、くれぐれも騙されないようにご注意下さい。




被害者の最大の武器は知識です。



タグ:交通事故
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【交通事故損害賠償の知識】お盆休みの事故にご注意! [交通事故]

本日は、お盆休み突入ということで、長期休暇中に事故に遭遇してしまった場合、被害者として最低これだけは知っておかなくてはならない重要知識のお話です。



交通事故の多発時期は、年末年始、ゴールデンウィーク、そして夏休みを含むお盆休みです。

日ごろから安全運転を心がけているベテランドライバーの方でも、普段運転をしない方が帰省にレンタカーを借りて長距離を走っていたりしますので、事故に巻き込まれることが多い期間でもあります。

いつもこの時期にお話ししている事ですが、再度ご確認していただければと思います。

全国の交通事故で一番多いのは追突事故で、交通事故全体の5〜6割を占めています。


このメルマガをお読みの方でも、追突事故は結構頻繁に目撃しているのではないでしょうか。



これだけ多くの追突事故が発生していますので、加害者や被害者になる可能性は十分あります。


こんな状況ですので、お出かけ中に追突事故に巻き込まれてしまったら、最低限知っておかなくてはならない知識を簡単にお話します。


■  軽度の追突事故 
★  まずは警察へ連絡



車の破損状況が軽微で怪我をしていないようでも、必ず警察に事故届けをお出しましょう。

時々、「点数が少なく警察に届けると免停になってしまう。修理代や治療費は全額支払うので、警察は呼ばないで欲しい。」などと言って、警察への連絡を嫌がる加害者がいます。


交通違反を繰り返し免許の点数が少ないためですが、加害者に同情して事故届けを出さないことは、被害者に多くの問題を残す危険性があります。


どのような問題かというと、先ずは保険の問題です。


自賠責保険を含ふ自動車保険を使用する際は、必ず事故証明が必要になりますので、必ず警察に事故届けを出さなくてはいけません。


加害者に、事故届けを出さないと保険が使えないのではと質問すると「保険を使用すると保険の掛け金が高くなるから保険を使わない。だから事故届けは必要ない。修理代金は自腹で支払うから大丈夫。」
などと言う加害者がいます。


しかし、この様な加害者に限って車の修理代金を請求書すると「修理代が高い」「そんなに高いわけがない!」などと言いがかりをつけ、払わない事例も結構多くあります。


最悪の場合、事故証明もありませんので「そんな傷は知らない」などと態度が急変し、逆切れされる可能性もあります。


次に治療費の支払いに関する問題です。

先程のように態度が急変した被害者で治療費を支払ってもらえない場合、事故証明さえあれば加害者の同意なしで治療費や休業損害を自賠責保険に被害者請求する事が出来ます。


最悪の場合でも、事故の発生を警察に届けておけば対処の方法はありますので、くれぐれも加害者に同情して事故届けを出さないなどという危険な行為はしないで下さい。



事故届けは最寄の交番や派出所でも出す事ができますので、面倒がらずに事故届けだけは出してください。     


★ 任意保険へ連絡

もし初めての事故で気が動転して何をして良いのか分からないような時には、ご自身が加入している任意保険会社の24時間事故受付センターに電話するのも良い方法です。


電話で何をしたら良いかアドバイスを受けることで、あとから不都合が起きることを防止できます。


又、専門家にアドバイスを受けることで、心が落ち着き適切な対処ができますので、「事故にあったら任意保険にすぐ電話」と覚えておかれてはいかがでしょう。。


折角ご加入されている任意保険ですので、最大限ご利用されることをお勧めします。


さらに、被害者側にも過失がある、加害者が任意保険に加入していない、自賠責保険の期限が切れているなどの場合には、被害者の自動車保険の人身傷害特約を使用して治療をする事も出来ますので、ご自身の自動車保険に電話をすることを忘れないで下さい。




★ 参考  場合によっては目撃者の確保


停車中の追突事故では関係がありませんが、信号のない交差点での出会い頭の事故や加害者の信号無視が原因の事故などでは後から争いになる事があります。



警察や保険会社に事故届けをするのと同時に、目撃者を探し連絡先を聞いて協力のお願いをしておくことも大切です。

赤信号で進入した加害者が青信号で進入したなどとウソをつく事例は、
珍しくありません。


交差点での衝突事故は、出来るだけ目撃者を確保しておくようにしてください。



最悪、監視カメラや目撃者がいない場合、加害者がウソをついていることが立証できず、被害者の過失割合が予想以上に大きくなることで損をする事にもなります。



信号無視が原因の事故などで後から争いになりそうな場合、現場の目撃者にお願いをしておく事が大切です。




★ 事故処理が終わったら


加害者の連絡先と加害者加入の任意保険会社及び担当者の連絡先をメモして下さい。


その際、加害者の免許証番号や車のナンバーも一緒にメモします。


ご自身の加入されている任意保険会社から加害者の情報を聞かれることもありますので、正確にメモしておかれることをお勧めします。




★ 現場で示談をするな!

物損のみの軽微な事故の場合、その場で示談したがる加害者がいます。


しかし、軽微な事故で怪我もないと思っていたら、次の朝、体のあちこちが痛くて起きられないなどいう事例は珍しくありません。

特に頚椎捻挫いわゆるムチ打ち症の場合は、毛細血管の損傷による内出血が原因で、時間が経過してから痛みが出てくることもあります。


その場で示談せず、後日改めて正式に示談した方が安全です。


事故後すぐに示談などという言葉を使う加害者は、事故慣れしていると考えられます。



初めての事故で不慣れな場合は、加害者に騙されないよう十分に注意して下さい。。



軽微な事故でも物損事故として警察に届け手おけば、後日痛みが出た場合に警察で人身事故へ変更してもらうことが可能です。


診断書を警察に提出し人身事故に変更すれば、その後の治療費の支払いなどもスムーズに行われます。


事故現場では示談をしない事です。


★保険会社は被害者が知らない損害を支払ってはくれません!★

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これだけは覚えてくださいね。



 【まとめ】


・軽微な事故でも警察に必ず事故の届けを出しておく。



・事故届が出ていれば、後々どのような事態に発展しても、最善の
 解決法が選択できる。



以上の点をご理解いただき、楽しい夏のご旅行をお楽しみください。





タグ:交通事故
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【交通事故損害賠償の知識】債務不存在確認訴訟って知ってます? [交通事故]

交通事故の被害者になるとほとんどは交通事故が初めての方ですので、色々な面で沢山の不安を持つことになってしまいます。

事故当初は、治療費は払ってもらえるのか、会社を休んで減額された給料は払ってもらえるのか、後遺障害が残ったらどうするのか、キチンと慰謝料は払ってもらえるか等等、数え切れない疑問から不安になる事が多いと思います。

しばらくして、ある程度落ち着いてくると、今度は巷の噂に惑わされることになりますが、その中で一番不安な言葉が「弁護士」と「裁判」ではないでしょうか。



特に、追突事故でムチ打ち症になり通院をしているような場合で、レントゲンやMRIで異常はありませんと医師から言われているような人は、「医者から仮病と思われている」「このまま通院をすると裁判になる」など巷の間違った情報が沢山耳に入ってくると不安になってしまいます。



巷の噂の中で、もっとも不安になる言葉が「裁判」ではないかと思います。

債務不存在確認訴訟.jpg

でも、交通事故の被害者が不法行為を働いた加害者から訴えられる事などあるのでしょうか。



不条理ですが、実際にあります。

では、被害者が加害者から訴えられるとしたら、一体どのようなことで訴えられるのでしょう。



事故現場で加害者を殴ってしまったり、事故後に脅迫をしたような特殊な事例を除いては、通常は訴えられる事はないと考えられますが、例外的に本日のテーマの「債務不存在確認訴訟」を加害者の
代理人である損保会社から被害者に提起される事があります。


では、加害者が被害者に対して訴えを起す「債務不存在確認訴訟」とはどのような物でしょう。



法律的な面から詳しくお話をすると、とても長くなり逆に分かり難くなってしまいますので、簡単にお話をさせていただきますね。



「債務不存在確認訴訟」ですので、「債務の不存在」を「確認」するための「裁判」という事になりますが、この「債務の不存在」とは一体どのようなことでしょう。



簡単にいってしまうと、「加害者または加害者加入の保険会社には被害者に対して債務がない」という意味です。


ただ、全く債務がないという場合は少なく、今回の交通事故での損害賠償の支払い額は、例えば債務の上限が100万円であって、それ以上はないよという意味になります。


では、何故保険会社がそのような裁判を起すかとうことですが、概ね2つのケースがあると考えています。



まず、1つ目は、保険会社が保険金を払い渋るためのけん制措置として訴訟を提起する場合です。



何だか分かり難い表現になってしまいましたが、被害者の症状もだいぶ落ち着いた状況になってきて、そろそろ「症状固定」が近いなと思われる頃に、保険会社が被害者の大まかな損害を算出して提訴する場合です。



この被害者を放置すると、やがて症状固定した後、今回の事故の損害を地方位裁判所支払い基準で算出し、紛センや日弁連交通事故相談センターに持ち込んであっ旋を依頼するかもしれません。


そうすると、保険会社が考えていた支払い金額に比べかなり大きな金額になってしまいますので、被害者が損害を請求してくる前に保険会社の独自の算出基準で損害を算出し「債務不存在確認訴訟」
を提起してしまうという筋書きです。



この結果はどうなるかというと、多くの場合は被害者にとって、損をする可能性がかなり高くなります。

理由としては、第1回口頭弁論の指定日時までに被害者の正確な損害賠償額を算出する事が出来ない場合が多いからです。



例えば、通常であれば症状固定をして後遺障害の申請をし認定された等級により正確な総損害を算出する事になるのですが、「症状固定」をしていない時点でこの訴訟を提起されてしまうと、被害者側として正確かつ最大の損害額を提示できません。


訴訟を提起されて時点では、後遺障害等級が決まっていませんので、何級になるであろうという架空の根拠では請求が出来ないからです。

又、第1回口頭弁論の指定日時までに、現時点での後遺障害を除いた部分の正確な損害額が算出できなかった場合、保険会社が提示した金額を争っていくことになりますので、当然支払われる金額の上限は見えています。



「債務不存在確認訴訟」を提起されたら「損害賠償請求訴訟」をすぐ提起すれば良いとおっしゃる方もいますが、先程のように正確な損害が算出できない時点では、全く役に立ちません。



既に後遺障害等級などが決まっている時点では有効ですが、「症状固定」前ではどうしようもありません。


ただ、一昔前はこの様なことをする損保が多かったのですが、最近はコンプライアンスと良識の問題であまり見かけなくなりましたので、極端に神経質になる事はないと思います。



むしろ、示談金額で全く意見が食い違っているからといって、何年も保険会社にだらだらと勝手な金額を要求し続けているような場合、「債務不存在確認訴訟」と提起される可能性は高くなります。



保険会社はいつまでも案件が片付かないと、どんどん未解決案件が溜まってしまい業務に支障が出てきますので、「加害者は被害者に対して金○○万円以上の債務がないことを確認する」と裁判所に確認
の訴訟を提起する事になります。



ですので、キチンとした金額の根拠を示さずに、単に金額に納得がいかないだけの理由で示談を引き伸ばしていると、場合によってはほんとに「裁判」になることもありますのでご注意下さい。



又、被害者が最初から根拠のない高額賠償請求をしている、被害者が明らかに問題のある医療機関と結託して必要のない通院を繰り返している、被害者が保険会社に直接怒鳴り込む、○○組やそれに近い
反社会勢力やそれに順ずる人等の場合も、この確認訴訟を提起します。


この様なことをご理解いただければ、保険会社が脅しのために使う「弁護士」や「裁判」などという言葉により、不安になる必要など全くない事がお分かりいただけたと思います。



もしこの様な知識がない場合、保険会社から「弁護士」「裁判」などの言葉で不安感を煽られ、無理やり示談させられてしまうかも知れません。

被害者が納得できる理想の示談をするためには、被害者自身がキチンと学習をする必要があります。


被害者の最大の武器は知識です。







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